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「オン・グリーン・ドルフィン・ストリート」その3
『Live at Maybeck Recital Hall,Vol.19/リッチー・バイラーク』

【強烈なアレンジが耳を離させない】
この「オン・グリーン・ドルフィン・ストリート」には、演奏上の「お約束」がひとつある。それは、テーマ冒頭の8小節とその繰り返し部分はコードは進行するけどベースは変えずに一定にすること。演奏者によっていろんなパターンがあるけど、「変えない」でいることは共通。アドリブ・ソロに入ると普通にベースもコード・チェンジするけど、アタマの8小節部分だけはこのパターンでやる場合も多い。どうしてこのアレンジが定型化したのかはわからないけど、やっぱりマイルスの演奏がよかったからなのかな。

この「オン・グリーン〜」の大きな特徴を最大に強調したのが、リッチー・バイラークのソロ・ピアノ。ソロ・ピアノなのでベースに相当する部分は左手で、イントロからずっとダッ・ダッ・ダーと一定のパターンを刻むんだけど、テーマに入って8小節まではお約束どおり。でもその先もずっと左手はそのパターンのまま。いつコード・チェンジするのかとドキドキしているとそのままテーマは終わり、なんとそのままアドリブ・ソロに突入。それでもずっとそのまま。えー、どこまで引っ張るの? これ、すごい緊張感なんですね。耳が引きつけられて離れることができない。で、ソロ2コーラスめの終わりの方でやっとコード・チェンジするんだけど、このときのホッとする感じがすごく快感。これ、病みつきになりますよ。
写真3:『Live at Maybeck Recital Hall,Vol.19/リッチー・バイラーク』(Concord)
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